ヘルパーと利用者との人間関係構築のポイント

 介護業界全体で問題となっているのは、新しく業界入りする人材が減っていることです。さらに、現役ヘルパーの離職率も高く、現場で業界を支えるヘルパーの高齢化も深刻になっています。この問題を解決するためには、介護業界の魅力をもっと大々的にアピールし、転職者を増やすことが必要でしょう。

 ただし、新しく人材を増やしても、離職率が変わらなければ問題の根本的な解決にはなりません。介護職は肉体労働であると共に、精神的な負担も大きな仕事です。つまり、この負担が離職率に大きく影響しているのです。また、人間関係に悩むヘルパーも多く、同僚との関係はもちろん、介護される人との良好な人間関係を形成できないヘルパーも少なくないようです。

 そこで、人間関係を構築するためには、コミュニケーションの方法をよく考える必要があるのではないでしょうか。特に介護される人とのコミュニケーションには抑えておきたいことがあります。デイサービスや老人ホームなどの介護施設は、自ら望んで利用している人ばかりではありません。中には、自分のプライベートを尊重し、できる限り自分で生活したいと願っている入所者も多くいます。そのため、こちらが介護してあげているという上から目線の態度を取ると嫌悪感を抱かれることがあります。ですから、できるだけ本人の行動を優先し、あくまでもそのサポートをしているという認識を忘れてはいけません。もしも、強引に介護業務を行ったり、介護をただの作業だと勘違いしたりすると、利用者は心を閉ざしてしまうでしょう。

 また、高齢者の中には、孤独感を感じている人もいるので、できるだけ親しみを込めて接することもポイントです。人間関係を上手く形成できれば、互いのストレスも少なくなり、気持ちよく接することができるでしょう。